HANEDA AIRPORT

2001年10月24日
あのひとの後姿を見送った
見えなくなるまで

もう見えないのに飛行機が離陸する時間までターミナルにひとりでたっていた
外はもう真っ暗で
どうやって帰ろうか途方に暮れて
くるときはふたり
帰るときはひとり

ふたりできたからなにも考えてなかった
ただ一緒にずっといられて嬉しかったのに

JALに荷物を預けて
いよいよ時間が迫ってきてしまって
腕をつかんで
行かないでって言いそうになってしまって
不覚にも涙が出そうになってしまって

あわてて上を向いた

すぐに連絡するから
あのひとはそう言ってはいっていった

伊丹に車で迎えにきてくれるひとがいる
あたしは羽田から帰る
いっしょにいられたのに
たちまち寂しさが取り巻いてくる

一緒にいるとやかましいのに
いなくなるととたんに静かになって

こんなにもあのひとが好きだ

おみやげをいっぱい渡した
もう持てないくらいに渡した
あのひとが歓んでくれるなら

ずっとずっと持ち歩いてた
別れるときに渡そうと思って
あのひとの歓ぶ顔が見たくって

よかったね 
あんなに歓んでくれるなら
 なんでもするよね

  もう乗るから
  さっきはありがとうな
 やわらかな関西弁
 最後の電話

外に出て見上げた空に
 星がひとつ
あのひとの星
もうちいさく 目に見えなくなっちゃった
あのひとを乗せたJAL

無事に伊丹に着くように
そっと祈ってターミナルに戻った


 駅から歩いて帰る道すがら
 見上げた空に見えた星は
 さっき見上げた星だったろうか

もしそうなら
 あの星はあのひと
  勝手に心に決めて

今度逢う日まで
 寂しくないね



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